noteで小説、漫画、掲載してます!

ぴぃこのnoteはコチラ

「発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術」に思った事

書籍レビュー

ほんのひと月前に、発達障害(ASD強め)の診断を受けてからというもの、いろいろな情報を集めている私。

「ネットだけじゃ信用できないし」と平積みにされている本を手に取ったのでした。

素晴らしいライフハック本

長年ADHDと付き合ってきた人気ブロガー借金玉さんの、初めての本です。ご自身の体験を元に日常生活や仕事でうまくいくコツをまとめた内容になっています。

読んでみたら、すごく良質なライフハック本でした。

ADHDの方の特徴として知られているのが「忘れ物が多い」「片付けられない」「過集中」などがありますが、それらの攻略法を「集約」「一覧性」「一手アクセス」という独自の方法で解説しています。

専門用語もなく、文章もとてもわかりやすい。早くて高校生くらいから読めてしまう内容になっています。

私も片づけやアイデア出しの方法は参考にしています。

疲れやすいのが特徴な発達障害者には超重要な休息の取り方も5章で詳しく述べられています。

ただ、一つだけ気になる所があるんです。

部族には従うべき?

2章では職場で浮かないための人間関係のノウハウが書かれています。

会社は部族と思ってそこの掟に従う、あとは茶番のように思えるコミュニケーションにも合わせていくという趣旨でしたが、

私はこれだけはやるべきでないと思います!

私自身同じことをして、心が完全崩壊したことが多々あるからです。普通に出来るフリをしてしまったがために面倒な上司の世話係になってしまい、最後は自己崩壊して会社を辞めたこともあります。

会社を辞めました。主な理由はクソ上司問題でした。

発達障害なら人間関係で努力はすべきでない!というのが私の持論なので、ここはあまり参考にならなかったですね。

人間関係の努力の弊害

発達障害を持つ身としては、努力してなんとか「普通」に合わせている状態。でも、定型の人からしたら「当たり前」だし自然なことなのです。

私の経験ではむしろ、自分が一生懸命やってても「無理しててウザい」と思われたり、「気が利かない。もっと努力しろ」と相手がエスカレートする危険の方が大きいと感じています。

借金玉さんの銀行員時代に会社の人間関係を軽視したせいで辞めてしまったというエピソードが出てきますが、

借金玉さんが銀行員にまるで適性がなかった

社員の多様性を認めない職場の雰囲気があった

この二つの要因はあるし、借金玉さん個人が悪いとは言い難いです。向かない仕事には「無理、ごめんなさい」というのは正しい選択です。

自分らしく生きるとは?

2章は仕事だけでなく、生き方にも直結しているので、非常に考えさせられました。まえがきにこんな一文があります。

自分は突出した能力を持っていて、それひとつで社会を駆け抜けていけるのか。それとも、欠損を抱えた人間として社会に順応していく努力を重ねる必要はあるのか?(中略)僕はジョブズではない。エジソンでもない。社会の中で生きてくためには己を社会の中に適応できる形に変化させていくしかない。

借金玉さんがこう思う背景には社会の背景も深く関係していると思います。

ジョブズじゃなければ障害を抱えたまま自分らしく生きてはいけないのでしょうか?

天才でないと、人間関係で努力し続けないといけないナンセンスな社会に問題はないのか。発達障害を「欠損」ではなく「そういう人もいるんだな」と受け流せる社会は本当に難しいのでしょうか。

 

定型発達だと苦労しないのか?

本書は基本的に

今の社会に適応した完全に定型発達の多数派

発達障害orボーダーラインなど生きづらい一部の人

の二者を前提に話が進んでいます。会社内での掟に難なく従え空気を読める人たちの部族に我々が少しは合わせていかないとというスタンスです。

発達障害があるかないかに関係なく、今の社会は大多数の人々にとってとても生きづらいものになっている、と私は思います。

現在「心の病」で労災認定される人数が、2年連続で過去最多となっています。

「心の病」で労災認定、2年連続で過去最多:朝日新聞デジタル
 仕事のストレスなどで「心の病」を患い、2017年度に労災認定された人は前年度より8人多い506人で、2年連続で過去最多となった。このうち自殺や自殺未遂をした人は同14人増の98人で、過去2番目の多さ…

マルチタスク能力が求められる一方、コミュニケーション能力など業務外でもタテマエ社会への適応が求められる。常に人目を気にしつつ仕事で一定の能力を発揮し続けるなんて、たとえ発達障害じゃなくてもキツイでしょう。

辛くてもみんな周りを気にして茶番を止めようとしない。今はまさに、タテマエ社会チキンレースをしている状態。いくら障害で迷惑をかけるといっても、こういった事に少なからず参加してしまうのは考えものです。

努力は自分のために!

そこで「あなた達も辛いでしょ。もう辞めませんかこんな茶番?」とタオルを投げる誰かが必要なのです。空気を読まない発達障害を持つ者として、借金玉さんのような方がもっと伸び伸び

空気を読めない私でもたぶん、努力をすればそれなりになれます。ですが、あえて努力をしないことで、空気を読みまくる高難度なタテマエ社会にNOを言いたい。

確かに障害でのトラブルを軽減する努力は必要です。でもそれは、あくまで自分の快適な日常のためであって社会や誰かのためではないことを頭の隅に置いておきたいです。

あとはみんな空気を読まず”自分らしく”好きにやっていいのではないかと思いました。

とはいえ、日常生活で発達障害を抱えた人が直面する問題解決に非常にメリットがたくさんあるので、本書をぜひ手にとって参考にしてほしいと思いました。

 

コメント